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League of Legends で意識していること

勝利条件はネクサスを割ること。チャンピオンを絞る、CS を数字で管理する、対角線でゲームを作る。エメラルド帯で勝率を上げるために自分が意識していることをまとめました。

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League of Legends で意識していること

きっかけは「なんとなく」に気づいたこと

書こうと思ったきっかけは、自分が League of Legends をなんとなくやっていると気づいたことです。

配信者の動画を見ていると、一つひとつの行動に理由があって、それを言葉にしながらプレイしています。 「相手のフラッシュが落ちたから前に出る」「このウェーブで帰るから、ここは押しておく」。 自分が感覚でやっていた部分が、全部言葉になっていました。

コーチングの動画も同じです。 コーチが繰り返し聞くのは、「今、なにを意識していた?」と「その根拠は?」の2つでした。 うまくいったかどうかより先に、理由があったかどうかを聞かれます。

そこで気づいたのは、自分はこの2つに答えられない場面がかなり多いということです。 なんとなく前に出て、なんとなく帰って、なんとなく死んでいました。

だったら、せめて大事なことだけは先に決めて、意識した状態でプレイしようと思いました。 この記事は、そのために言語化したものです。

構成は3つに分けています。

  1. 今、最も意識していること — いま自分が一番直したい、判断の土台になる3つ
  2. 前提 — そもそもこのゲームで何が勝ちなのか、何を基準にするのか
  3. 試合の流れ — 試合が進む順番に沿った、具体的な動き方

最初に全体のチェックリストを置いておきます。

意識していることの一覧

今、最も意識していること

  • 根拠を持ってアクションを起こす
  • 相手に合わせず、自分がどうしたいかを決める
  • 相手についていくのではなく、追いかけさせる
  • 相手が消えたら、まずピンを出す
  • レーンの目標は、相手との明確な差を開かせること
  • ターンを意識する(ウェーブがぶつかるまでがターン)

前提

  • CS もプッシュも手段で、勝利条件はネクサスを割ること
  • 自分だけでなく、勝ち筋になる味方を育てる
  • 勝っていても単独で仕掛けず、人数差を作る
  • レイトゲームは来ない前提で、終盤までに勝負を決める
  • 15CS = 1kill として価値を換算する
  • 分間8CS は死守する
  • 相手の育ちより、自分が育っているかを見る

試合の流れ

  • チャンピオンを3体に絞る
  • 最初は少しだけ押して、体力有利のまま3ウェーブ目でバウンスさせる
  • 相手が CS を取る瞬間に攻撃する
  • 一回で倒し切ろうとしない
  • トレードで勝てない相手には、タワー下に入らないギリギリで CS を取る
  • ウェーブ管理を理解する(目的があるなら押していい)
  • バウンス後は、押せる状態かを確認してから押す
  • AA で取れる CS は AA で取る
  • ベースにいる時間を極力減らす
  • どのウェーブで帰るかを先に決める
  • ロームは一発で決めず、範囲を少しずつ広げる
  • 寄っていいのは近くの森まで。相手の森には無理に行かない
  • サイドは半分押して、ミッド → 視界 → 逆サイドと連鎖させる
  • 対角線を意識する
  • 相手のスキルとサモナースペルを把握する
  • 相手と味方のジャングラーの位置を把握する
  • レーンを圧迫するときは I ブッシュでもいいからワードを置く
  • ワードより先にプッシュする

第1部 今、最も意識していること

まずは、いま自分が一番意識していることです。

細かいテクニックより先に、ここが崩れていると何をやっても噛み合いません。 ここさえ守れていれば、多少の操作ミスがあっても試合は形になります。

根拠を持ってアクションを起こす

この記事に書くことを全部ひとつにまとめると、結局これになります。

負ける試合を振り返ると、決まって「なんとなく」で動いています。

  • なんとなく前に出る
  • なんとなくレーンを離れる
  • なんとなく集団戦を始める

その場では自然な判断に見えても、あとから理由を説明できません。 理由を説明できない行動は、うまくいっても再現できないし、失敗しても直せません。

なので、動く前に一言で理由を言えるかを自分に確認しています。

  • 「相手のフラッシュが落ちているから踏み込む」
  • 「相手ジャングラーがトップに見えたから、いま深くプッシュする」
  • 「レベル6を先に取ったから、この30秒で仕掛ける」
  • 「ドラゴンまで40秒だから、ここでウェーブを押しておく」

逆に、理由が出てこないときは動きません。 その場合のデフォルトの行動は CS を取ることです。 迷ったらファームに戻る、と決めておくと、判断に詰まった時間がそのまま損失になりません。

ただしファームは、次に動くための待機です。 そのまま試合が終わってしまわないように、「次にどのオブジェクトを取りに行くか」だけは常に決めておきます。

この考え方がいいのは、試合後の振り返りができるようになることです。

根拠を持って動いていれば、負けたときに「根拠が間違っていたのか」「根拠は正しかったが実行をミスしたのか」を切り分けられます。 なんとなく動いていた試合は、この切り分けができません。運が悪かった、で終わってしまいます。

勝ち負けそのものより、次に活かせる形で試合を終えられるかどうか。 根拠を持って動くのは、そのための習慣だと思っています。

相手に合わせず、自分がどうしたいかを決める

自分の悪いときのプレイを振り返ると、全部リアクションになっています。

  • 相手が前に出たから、下がる
  • 相手がスキルを撃ったから、撃ち返す
  • 相手がリコールしたから、自分も戻る

一つひとつは間違っていないように見えます。 でもこれを続けている限り、自分のゲームは相手の判断に乗っているだけです。

リアクションしかしていないと、相手のプレイの質以上のゲームにはなりません。 相手がうまければ振り回されるし、相手が下手なら、その下手な展開に自分も付き合うことになります。

なので先に、自分がこのレーンで何をしたいかを決めます。

  • レベル2を先に取って、そこで仕掛ける
  • 6を取ったタイミングで押し切る
  • ヘラルドの前に、レーンを押し込んでおく
  • 相手のフラッシュを落とさせて、そのあとジャングラーを呼ぶ

相手のサモナースペル、スキルのクールダウン、ジャングラーの位置。 この記事の後半で書く「把握する」という項目は、全部このプランを通すための材料です。 情報を集めること自体が目的ではありません。

後述する対角線も同じです。 相手に合わせているように見えて、実際にやっているのは「どこで自分のゲームをするか」を自分で選ぶことです。 場所を譲っているだけで、主導権は渡していません。

ついていくのではなく、追いかけさせる

この考え方が一番はっきり出るのが、相手が動いたときの反応です。

相手がロームしたから、自分もついていく。 相手がリコールしたから、自分も戻る。

止めに行っているつもりですが、この動き方だと必ず一歩遅れます。 相手が先に動いた分、こちらは常に後手です。 しかも、追いついて何かを止められるとは限らず、追いかけている間の CS は確実に失っています。

なので、ついていくより、相手が戻らざるを得ない状況を作るほうを選びます。

  • 相手がロームした → こちらはウェーブを押してタワーを削る、プレートを取る
  • 相手がジャングルに入った → こちらは逆側で視界を取る、オブジェクトに寄る
  • 相手がリコールした → こちらはその時間でターンを使い切る

こうすると、相手はやりたいことを途中で切り上げて戻ってきます。 その瞬間、追いかけているのは相手のほうです。 同じ「相手の動きに対応する」でも、こちらが先に価値を作っているぶん、結果がまったく違います。

判断に迷ったら、「いま焦っているのはどっちか」を考えるようにしています。 自分が焦って追いかけているなら、その動きはたぶん間違っています。

もちろん例外はあります。 味方が確実に死ぬ場面、自分のほうが移動が速い場面、そこが集団戦になる場面ではついていきます。 ただ、デフォルトは追いかけさせる側です。

相手がロームしたら、できるのはピンだけ

追いかけないと決めると、相手が消えたときに自分がやることはかなり限られます。

実際、ほとんどピンを出すことしかありません。

走って追いかけても、まず間に合いません。 どのルートを通ったかもわからないので、途中で見失うだけです。 それなら、相手が消えたという事実を味方に伝えるのが、その瞬間にできる唯一の仕事です。

ピンのいいところは、コストがほぼゼロなことです。

  • 出すのに1秒もかからない
  • CS も経験値も失わない
  • それで味方が一歩下がれば、1キル分の損失を防げる

「たぶんこっちには来ないだろう」と思っても出します。 外れたところで、誰も損をしません。

そして、ピンを出したらそこで終わりにします。 そのあとは自分のゲームに戻って、相手がいない時間をターンとして使い切る。 ここで追いかけ始めると、結局さっきの「ついていく」に逆戻りします。

一つだけ気をつけているのは、ピンは報告であって、責任の押しつけではないことです。 「消えた」という事実だけを伝えて、そのあとどうするかは相手のレーンに任せます。

自分がロームするときも同じで、先に味方へ「行く」と伝えておきます。 伝えておけば、味方はその時間に合わせて動けます。

レーンの目標は、差を開かせること

そのうえで、レーンの目標をはっきりさせています。

五分で終わらせることではありません。 相手との間に明確な差を開かせて、相手をゲームから排除することです。

具体的にやることは2つです。

  • ソロキルを取る
  • CS を取らせない

ソロキルは一番わかりやすい差のつけ方です。 1回取れば、ゴールドとレベルと、そのあとのレーンの主導権がまとめて手に入ります。

CS を取らせないのも同じくらい効きます。 タワー下に押し込む、体力を削ってリコールを強要する、そのあいだにウェーブを消す。 相手の画面には何も起きていないように見えて、その数十秒で確実に差がついています。

ここで狙っているのは、相手を「集団戦で機能しない状態」にすることです。 装備もレベルも足りていない相手は、そこにいても数に入りません。 実質5対4になれば、そのあとのオブジェクトはほぼ取れます。

そして差が開くほど、相手はサレンダーに近づきます。 あとで書くとおり、この帯ではそれが現実的な勝ち筋です。

ただし、自分を崩してまで取りに行かない

一つ前提を添えておくと、これは「無理をしてでも差をつけろ」という話ではありません。

自分が育っていることが最低ラインで、差を開かせるのはその上に乗る目標です。 順番を逆にして、差をつけようとして自分が崩れるのが一番よくありません。

  • 差を開けそうなら、取りに行く
  • 開けなさそうなら、最低ラインを守る(分間8CS を死守する)

どちらを選ぶにしても、決めているのは自分です。 相手の動きを見てから決めるのではなく、自分のプランがあって、そこに相手の情報を当てはめる。 この順番だけは変えないようにしています。

ターンを意識する

これは自分の中で一番大きかった考え方の変化です。

LoL には、自分が自由に動ける時間と、レーンに縛られる時間があります。 この「自由に動ける時間」をターンと呼んでいます。

そして、ターンの長さには明確な区切りがあります。

次にウェーブがぶつかるまでが、自分のターンです。

ウェーブがぶつかれば、そこにミニオンとゴールドと経験値が発生します。 そこに間に合わないと、CS も経験値も丸ごと失います。 だから、ターンはウェーブがぶつかる瞬間に終わります。

ターンはどうやって回ってくるか

ターンは勝手には来ません。自分で作ります。

  • ウェーブを相手のタワーに押し込む
  • 相手を倒す
  • 相手がリコールした

このどれかが起きたとき、次のウェーブがぶつかるまでの時間が自分のものになります。 五分の位置でウェーブが止まっている間は、ターンはありません。レーンにいるのが仕事です。

ターンの使い道は3つ

ターンが来たときの使い道は、基本的にこの3つに絞っています。

  • リコールする
  • 視界を取る
  • ロームする

リコールする。 一番わかりやすい使い道です。アイテムを買って、体力とマナを満タンにして戻る。 ターンが短いときは、まずこれを選びます。買い物のためだけにターンを1回使うのは、まったく無駄ではありません。

視界を取る。 川やオブジェクト周り、相手のジャングルの入り口にワードを置きます。 視界があると、次のターンで自分が安全に動ける範囲が広がります。 つまり、いま取った視界が次のターンの選択肢を増やします。ターンの再投資のようなものです。

ロームする。 味方のレーンに寄って、そこに有利を作りに行きます。 時間がかかるので、長いターンでしか選べません。 あとで書く「勝ち筋になる味方を育てる」を、実際の動きに落とすとこれになります。

大事なのは、ターンが来たときに「この3つのどれを使うか」を毎回決めることです。 ターンが来ているのにレーンで待っているのは、自由に動ける時間をそのまま捨てているのと同じです。

ここが、あとで書く「ベースにいる時間を極力減らす」と直結します。 ベースでの滞在が長いのは、単に時間を損しているというより、ターンを1回まるごと使い損ねている状態です。

ターンの終わりから逆算する

ターンの使い方を決めるときは、必ず終わりから逆算します。

「次にウェーブがぶつかるのは何秒後か」「そこに戻るには何秒かかるか」。 この2つが合わないなら、そのアクションはターンに入っていません。

戻りが間に合わない行動は、たとえ成功しても CS と経験値を払っています。 分間8CS が崩れる原因は、たいていここです。

相手のターンも同じように見る

自分にターンがあるということは、逆の状況では相手にターンがあるということです。

自分が押し込まれているときは、相手のターンです。 その状態で相手が視界から消えたら、相手はターンを使いに行ったと考えます。

  • 味方のレーンに寄っている
  • ジャングルに入っている
  • オブジェクトに向かっている

「消えた」で終わらせず、「ターンを何に使ったか」まで想像してミニマップを見る。 ここまでできると、後述する対角線の考え方が使えるようになります。 相手がターンを使っているサイドと逆側で、こちらもターンを使えばいいからです。

第2部 前提

ここからは、そもそもこのゲームで何が勝ちなのか、何を基準に判断するのかという前提です。

第1部の「自分で決める」も、第3部の具体的な動きも、全部この前提の上に乗っています。

大前提: ネクサスを割るか、サレンダーさせるゲーム

先に一番大事なことを書いておきます。

CS を取ることも、レーンをプッシュすることも大事です。 ただ、それ自体は勝利条件ではありません。

League of Legends は、相手のネクサスを割るか、相手にサレンダーさせるゲームです。 勝敗を決めるのはそこだけで、CS の数でもキル数でもありません。

ここを忘れると、こういう試合になります。

  • CS は取れていて所持金もあるのに、タワーが一本も折れていない
  • 集団戦には勝ったのに、そのあと誰も前に出ずリコールしてしまう
  • スコアは有利なのに、時間だけが過ぎて相手にスケールされる

ゴールドは、使って初めて意味があります。 そして使い道は、最終的にはタワー・インヒビター・ネクサスに変換することです。

なので、有利を取ったあとに毎回考えるのはこの一点です。

この有利を、マップ上のどのオブジェクトに変換するか。

  • 相手を倒した → タワーかドラゴンを取りに行く
  • ウェーブを押し込んだ → 視界を取るか、次の目標に向かう
  • 装備で勝っている → その時間内に決着をつけに行く

もう一つの勝ち方であるサレンダーも、考え方は同じです。 相手が降参するのは、キル数で負けたときではなく、盤面が戻らないと感じたときです。 タワーが折れ、視界を取られ、オブジェクトを続けて奪われる。 この圧力を切らさないことが、結果的に一番早い勝ち方になります。

以下の項目は、すべてこの前提のうえに乗っている手段です。

エメラルド帯は、レイトゲームまで行かない

もう一つ、自分がプレイしている帯特有の前提があります。

エメラルド帯は、良くも悪くも真剣度に幅があります。 気楽に遊んでいる人の割合もそれなりに多く、その結果としてサレンダーが本当によく起きます。

少し不利になっただけで降参投票が飛ぶし、そのまま通ります。 つまり、試合がフルタイムまで進まない可能性がかなり高いということです。

これは、プレイの前提を大きく変えます。

「後半になれば強くなる」は、その後半が来ない前提で考える必要があります。

  • レイトゲーム前提のスケーリングは、機能する前に試合が終わる
  • 序盤に耐えて中盤で追いつく計画も、追いつく前に折れる
  • 逆に、序盤から中盤で圧力をかければ、相手のほうが先に心を折る

なので意識しているのは、終盤までに自分が試合に影響を与えることです。 20分の時点で、自分が試合に何を残せているか。ここを基準にしています。

  • 20分までにタワーを折れているか
  • 20分までにオブジェクトに絡めているか
  • 20分の時点で、自分が相手にとって面倒な存在になっているか

前のセクションで書いた「相手にサレンダーさせる」は、この帯ではきれいごとではなく現実的な主要ルートです。 序盤から中盤にかけて圧力を切らさないことが、そのまま勝ち方になります。

もちろん、これは「早く終わらせるために無理をする」という意味ではありません。 無理な仕掛けで自分が崩れれば、今度はこちらのチームが先に折れます。 根拠のある行動を、序盤から中盤に集中させる、という話です。

自分だけ勝っていても、試合には勝てない

レーン戦で自分の対面にだけ勝っている、という状況はよくあります。 CS も取れているし、キルも取れている。それなのに試合には負ける。

理由は単純で、これは5対5のゲームだからです。

自分ひとりが育っていても、集団戦では5人で戦います。 相手のキャリーが育っていれば、こちらが1人で削り切る前に、味方が先に溶けます。 そして育った1人はフォーカスされます。

なので、自分が勝っているときほど、その有利を自分の中に溜めないようにしています。 やることは、勝ち筋になる味方を一緒に育てることです。

誰を育てるか

全員に配れるわけではないので、そのゲームの勝ち筋になる味方を決めます。

  • 中盤までに火力が出るキャリー(装備が1〜2本揃った時点で戦える味方)
  • 対面に有利がついていて、伸ばせば一気に押し切れる味方
  • そのゲームで取りたいオブジェクトに直結する味方

すでに崩れているレーンに有利を注ぎ込むのは、たいてい戻ってきません。 リカバリーではなく、伸びるところに置く。

ここでも「レイトゲームは来ない」前提が効いてきます。 30分後に最強になる味方より、20分の時点で戦える味方を優先します。

どうやって配るか

自分の有利を、そのまま味方の有利に変換する動き方をします。

  • レーンを押し込んだ余った時間で、味方のレーンに寄って有利を作る
  • 自分の近くのジャングルキャンプを、育てたいジャングラーに残す
  • 自分がキルを取れる場面でも、育てたい味方に譲る
  • ボット側のタワーやドラゴンを一緒に取りに行き、味方の所持金に変える

このとき、自分の CS やスコアは一時的に落ちます。 それでも、チームとして勝ちに近づくならその行動が正解です。 分間8CS も 15CS = 1kill も判断材料であって、目的ではありません。

逆に自分が負けているとき

同じ考え方を、立場を入れ替えて使います。

自分のレーンが崩れているなら、そこに味方のリソースを吸い込まないようにします。 自分が有利を取り戻すことより、勝っている味方に有利を集めるほうが、チームとしての勝率は上がります。

負けているレーンの仕事は、自分が勝つことではなく、相手を長く引きつけて味方の勝ち筋を通すことです。

勝っていても、人数差のほうが確実

もう一つ、育っているときにやりがちなのが、単独で仕掛けることです。

装備で勝っていると、「1対1なら負けない」と思えてきます。 実際、勝てることも多いです。ただ、それはあくまで確率の話です。

  • 相手のスキルが当たるかどうか
  • フラッシュが残っているかどうか
  • ジャングラーが近くにいるかどうか

このどれか一つで、1対1はあっさりひっくり返ります。 そして育っている側が死ぬと、失うものが一番大きいのもこちらです。

人数差は、その不確実さをまとめて消してくれます。

2対1なら、多少のミスがあっても結果はほぼ変わりません。 自分が強いというのは確率で、人数が多いというのは構造です。 確率に賭けるより、構造で勝つほうが確実だと思っています。

なので、有利を取ったときにやることは「1対1で勝ちに行く」ではなく、「人数差を作れる場所に行く」ほうです。 育った状態で2対1を作れば、キルもタワーもオブジェクトも全部ついてきます。

ダイブでも考え方は変わりません。 有利だからひとりで飛び込むのではなく、人数を揃えてから飛び込む。 有利は、単独行動の理由ではなく、人数を集めたときの威力を上げる材料として使います。

負けているときは、この裏返しを避けるだけです。 自分が弱いから危ないのではなく、人数差を作られる位置にいるから危ない。 そう考えると、どこに立つべきかは自然に決まります。

15CS = 1kill として価値を換算する

CS の価値を、感覚ではなく数字で持つようにしています。

ミニオン1体あたりのゴールドを考えると、だいたい 15CS で1キル分の価値になります。 この換算を持っておくと、判断が変わります。

たとえば、相手を追いかけてキルを狙いに行くとき。 その追いかけで CS を15体逃すなら、キルを取れてようやくプラマイゼロです。 取れなければ丸ごとマイナスになります。

逆に、キルは取れていないのに CS だけ淡々と伸ばしている試合は、スコアボード上は地味でも、実はちゃんと勝っています。

キル・デス・アシストは目立つので気持ちが引っ張られますが、CS は静かに積み上がる資産です。 「今の行動は15CS分の価値があるか?」と自分に問いかけるだけで、無駄な動きがかなり減ります。

もちろん、この換算はあくまで判断材料です。 積み上げた資産をタワーやオブジェクトに変えなければ、数字が良いまま負けます。

分間8CS は死守する

CS を数字で管理するなら、目標も数字で持つべきです。

自分の基準は分間8CS です。 10分で80、20分で160。この数字を下回っていたら、その試合の自分は何かをミスしています。

死守すると決めているのは、CS は「調子」ではなく「習慣」で伸びる部分だからです。 相手が強かろうが、ジャングラーに刺されようが、ラストヒットを取る作業自体は変わりません。

試合中は10分と20分のタイミングでスコアを確認して、8CS/分に届いているかを見ています。 届いていなければ、その原因を探します。

  • レーンから離れすぎていないか
  • ベースに長くいなかったか
  • 無理なトレードで下がっていないか

原因はだいたい、この記事で書いていることのどれかです。

相手が育っていても、自分が育っていれば問題ない

レーン戦でよくあるのが、相手の成長が目に入って焦るパターンです。

相手の CS が伸びている。相手がキルを取った。相手のアイテムが自分より一歩早い。 それを見た瞬間に、「止めなきゃ」と思って無理なトレードに行く。そして自分が崩れる。

ここで持っておきたい前提はシンプルです。

相手が育つこと自体は、問題ではありません。

問題なのは、相手が育っているのに自分が育っていない状態だけです。 逆に言えば、相手が育っていても自分が同じだけ育っていれば、レーンとしては何も起きていません。

そもそも、相手の成長をゼロにすることはできません。 相手にもミニオンは湧くし、タワー下でも CS は取れます。 止められないものを止めようとして、自分の成長まで止めるのが一番損をします。

止めるより、止まらないほうが確実です。

見るべきなのは自分の数字

なので、レーン中に確認するのは相手のスコアではなく自分の数字にしています。

  • 分間8CS に届いているか
  • 相手と同じタイミングでアイテムを買えているか
  • 経験値でレベルが遅れていないか

このどれもが、相手の画面を見なくても判断できます。 相手が10CS/分でも、自分が9CS/分なら、そのレーンはほぼ差がついていません。

それでも差がついているとき

もちろん、「相手だけが育っている」状態は放置できません。 その場合は、自分ひとりで取り返そうとしないことが大事です。

  • 味方ジャングラーに来てもらう
  • タワーを折らせない範囲で、安全にファームする
  • あとで書く対角線の考え方で、別の場所に価値を作りに行く

自分のレーンで負けを取り返すのが一番難しく、一番リスクが高い方法です。 レーンは耐えるだけにして、勝ち筋はマップの別の場所に置きます。

焦って崩れるのと、差がついたまま育ち続けるのとでは、後者のほうが圧倒的にマシです。

第3部 試合の流れ

最後に、試合が進む順番に沿って書いていきます。

  1. 試合前 — 使うチャンピオンを決めておく
  2. レーン序盤 — 最初のウェーブで形を作り、体力の有利を取る
  3. レーン中盤 — 帰るウェーブを決めて、ロームで範囲を広げる
  4. マップ全体 — 視界とジャングラーの位置を押さえて、動く場所を選ぶ

チャンピオンを3体に絞る

いろいろなチャンピオンを触るのは楽しいですが、上達を目的にするなら数を絞ったほうが早いです。

理由は、操作を無意識でできるようにするためです。

スキルの順番、コンボ、クールダウン、アイテムのビルド順。 このあたりを毎回考えていると、それだけで脳のリソースを使ってしまいます。 ここが自動化されると、その分の余裕がまるごと空きます。

空いたリソースは、本来考えるべきことに回せます。

  • ミニマップ
  • 相手ジャングラーの位置
  • ウェーブの状態
  • 次のオブジェクトまでの時間

「操作を覚える」フェーズを終わらせて、「状況を読む」フェーズに脳を使う。 そのためにチャンピオンを3体に絞っています。

選ぶ3体にも基準があります。 レイトゲームが来ない前提なので、序盤から中盤にかけて仕事ができるチャンピオンを軸にしています。

3体という数にも理由があります。 1体だとBAN・ピック対抗で詰みますし、5体以上だと結局どれも中途半端になります。 得意なチャンピオンが3体あれば、たいていの試合は自分の得意な形に持ち込めます。

ウェーブ管理を理解する

第1部で、ターンは自分で作るものだと書きました。 その作り方が、ウェーブ管理です。

ウェーブをどう動かすかで、レーンの主導権も、ガンクされる危険も、ターンが来るタイミングも変わります。 ここを感覚でやっていると、毎回違う結果になります。

最初の3ウェーブで形が決まる

まず、レーン序盤のウェーブの作り方です。 ここでどう動くかで、そのあとのレーンの形がだいたい決まります。

やることはシンプルで、最初は少しだけ押します。

全力で押し切るのではなく、自分側のミニオンがほんの少し多い状態を作る。 この「ちょっと押す」の状態がいい理由は2つあります。

1つ目は、体力で有利が取れることです。

ミニオンの数が多いほうは、トレードのときにミニオンの攻撃を受ける量が少なくなります。 相手のほうは、こちらのミニオンからも殴られます。 同じようにスキルを撃ち合っているだけなのに、体力差だけが一方的に開いていきます。

序盤の体力差は、そのままレーンの主導権になります。

  • 相手は前に出られなくなり、CS を取りこぼす
  • こちらは押すか下げるかを選べる
  • 体力を削り切れば、そのままソロキルまで狙える

2つ目は、3ウェーブ目のバウンスです。

少しずつ押した状態を続けると、3ウェーブ目あたりで相手のタワーにぶつかります。 タワーがミニオンを削るので、そこからウェーブは自分側に跳ね返ってきます。

このバウンスが起きると、そのあとの選択肢が増えます。

  • 戻ってきたウェーブを自分のタワー前で受けて、フリーズできる
  • ぶつかったタイミングでリコールすれば、CS をほとんど失わない

つまり、最初の数ウェーブの押し方だけで、体力の有利と、リコールのタイミングと、そのあとのウェーブの位置がまとめて手に入ります。

ここで注意しているのが、押しすぎないことです。 スキルを使って一気に押し切ると、体力有利は作れても、ウェーブが早く相手のタワーに入りすぎて、こちらが深い位置に立たされます。 あとで書くとおり、CS は基本 AA で取ります。押す速度をコントロールするためでもあります。

相手が CS を取る瞬間に攻撃する

体力の有利をどう作るかというと、殴るタイミングです。

同じスキルを同じ回数撃っていても、いつ撃つかで結果はまったく変わります。 一番いいのは、相手がラストヒットを取ろうとしている瞬間です。

その瞬間、相手はミニオンに向かって攻撃モーションに入っています。 こちらに反応するには、いったんその動作を止めなければいけません。 つまり、反応が必ず一手遅れます。

さらに、殴られた相手は選択を迫られます。

  • CS を諦めて反撃する → CS を1体失う
  • CS を取ってから反撃する → 一方的に殴られる

どちらを選んでも相手は損をします。 選ばせている時点で、こちらが得をしています。

そのために見ておくのが、相手側のミニオンの体力です。 「次にラストヒットが来る」がわかっていれば、そこに合わせて撃つだけです。

逆に、自分がラストヒットを取る瞬間は、自分が一番無防備な時間でもあります。 だから自分のミニオンの体力も見て、相手に狙われそうなタイミングを予測しておきます。 狙われそうなら、その1体は捨てるか、先に距離を取ってから取りに行く。

これが積み重なると、前に書いた体力差が自然に開いていきます。 そして体力差が開けば、押すこともソロキルを狙うこともできるようになります。

CS を AA で取ってスキルを残しておくのも、ここに効いてきます。 このタイミングが来たときに、すぐ撃てる状態にしておきたいからです。

一回で倒し切ろうとしない

トレードで一番やりがちなのが、その一回で倒し切ろうとすることです。

満タンの相手にスキルを全部使って、半分削って、そこで手札が尽きる。 相手はリコールして全快で戻ってくる。 こちらはマナもクールダウンも体力も使ったのに、盤面は元通りです。

そもそも、満タンの相手を一回で落とせることはほとんどありません。 できないうえに、失うものが大きい。コスパが悪いやり方です。

やるべきなのは、小さいトレードを何回も重ねることです。

  • 1回目 → 相手の体力を2割削る
  • 2回目 → 相手が回復しきる前に、また2割削る
  • 3回目 → 相手は「もう戻らないと危ない」ラインに入る

狙っているのは、削り切ることではなく、相手が戻らざるを得ないラインまで押し下げることです。 そこまで行けば、相手はリコールするか、CS を諦めて下がるかしかありません。 どちらでもこちらの得です。

キルは、この積み重ねの最後に勝手に落ちてきます。 最初から取りに行くものではありません。

判断の基準は単純にしています。

「今、手札を全部使えば確実に倒せるか?」

確実に YES でないなら、全部は使いません。 2割削って引く、で十分です。

ロームのところで書いたことと同じで、ここも一発では決まりません。 1回目と2回目は、3回目のための準備です。

勝てない相手には、立ち位置で対処する

マッチアップによっては、突っ込まれた時点で負けが決まっている相手がいます。 まともに殴り合えばダメージトレードで必ず負ける、という組み合わせです。

こういう相手に、トレードで勝とうとしないようにしています。 勝てないものは練習しても勝てません。代わりに、立ち位置で解決します。

タワー下に入らないギリギリの位置で CS を取ります。

この線には理由が2つあります。

1つは、相手が突っ込んできても、一歩下がればタワーの射程に入るからです。 相手から見ると、仕掛けてもこちらがタワーに逃げ込めるので、仕掛ける価値がありません。 仕掛けてこないなら、こちらは普通に CS を取れます。

もう1つは、タワー下まで下がりすぎないためです。 タワーの内側に入ってしまうと、今度はタワーがミニオンを削ってしまい、ラストヒットが取りづらくなります。 安全ではあるけれど、CS を失います。

安全と CS を両立できるのが、ちょうどこの「入らないギリギリ」の線です。

線を引くときは、相手のスキルとフラッシュを前提にします。

  • 突進スキルとフラッシュが両方ある → もう一歩下がる
  • 突進スキルを使った直後 → 少し前に出て CS を取りに行く
  • フラッシュを落とさせたあと → その時間はかなり前に出られる

ここでも、相手のスキルを把握しているかどうかがそのまま立ち位置になります。

そして、この状態はただ耐えているだけではありません。 こちらが下がっているぶん、相手は前に出てきます。 深い位置に立っている相手は、ジャングラーにとって一番刺しやすい獲物です。

耐えている時間は、ジャングラーを呼ぶ準備の時間でもあります。

目的があるなら押していい

「無闇に押すな」とよく言われますが、押すこと自体が悪いわけではありません。 悪いのは、目的がないのに押すことです。

押す目的がはっきりしているなら、押していいと思っています。

  • リコールしてアイテムを買いたい(=ターンを作りたい)
  • 味方のレーンやジャングルに寄りたい
  • タワーを削りたい
  • ドラゴンやヘラルドの前に、レーンを空けておきたい
  • 相手をレーンに縛りつけて、動けなくしたい

目的がないまま押すと、こうなります。

  • 自分はレーンの深い位置に立つことになり、ガンクされやすくなる
  • 押し切ったあとの時間を使わずに終わり、相手にターンを渡す
  • 相手のタワー下でウェーブが溶けて、CS だけ失う

同じ「押す」でも、目的があるかどうかで結果が正反対になります。 これは前に書いた「根拠を持ってアクションを起こす」の、ウェーブ版だと思っています。

押す前に、「押したあとに何をするか」を先に決めておく。 そして押すと決めたなら、ワードを1個置く。これは後述します。 そこまで決まっていないなら、押さずに五分の位置で維持するほうが安全です。

押したい気持ちと、押せる状態は別

目的が決まっていても、それだけでは押せません。 ウェーブの状態が揃っていなければ、押そうとしても押し切れないからです。

一番よくやるのが、バウンスしたあとの押し方のミスです。

ウェーブが相手のタワーにぶつかると、タワーがミニオンを削り、ウェーブは自分側に跳ね返ってきます。 このバウンスから時間が経つほど、相手側には次のウェーブが重なって、大きくなった状態でこちらに向かってきます。

その状態で「よし押そう」と動いても、相手のミニオンの数に負けて、ウェーブは相手のタワーの手前で止まります。

止まると、何も起きません。

  • タワーに入り切らないので、リコールする時間が作れない
  • つまりターンが生まれない
  • それなのに自分だけ深い位置に立ち続けることになる

押した結果として一番避けたいのが、この「深い位置で足止め」です。 ガンクされる条件だけが揃っていて、見返りがありません。

なので、押す前に自分と相手のミニオンの数を見ます。 相手のウェーブのほうが大きいなら、その瞬間から押し始めても間に合いません。

  • いったん受けて、次のウェーブと合流させてからまとめて押す
  • それまでは五分の位置で維持して、CS だけ取る

そして、押したいタイミングが先にわかっているなら、1ウェーブ前から準備を始めます。 「6でリコールしたい」なら、6になってから押すのでは遅くて、その一つ前のウェーブから作っておく必要があります。

やりたいことを決めるのが先で、そのために何ウェーブ前から動くかを逆算する。 ターンの話と同じで、ここでも逆算です。

AA で取れる CS は AA で取る

ウェーブを意図どおりに動かすために、CS の取り方も決めています。 基本は、通常攻撃で取れる CS は通常攻撃で取ることです。

理由は2つあります。

1つ目は、ウェーブが勝手に動いてしまうからです。 スキルで CS を取ると、範囲ダメージが相手のミニオンにも入ります。 その分だけ相手のウェーブが早く溶けて、自分が意図していないのにウェーブが押されていきます。 「押すつもりがなかったのに押されている」状態は、だいたいこれが原因です。

2つ目は、スキルを残しておきたいからです。 マナとクールダウンは、トレードとガンク回避のための資源です。 CS を取るために使い切ってしまうと、いざ仕掛けられたときに何もできません。

なので、スキルを CS に使うのは目的があるときだけにしています。

  • AA だけでは取り逃すとき(ミニオンの体力が足りない、複数同時に落ちる)
  • そもそも押すと決めているとき

押すと決めているなら、スキルでまとめて処理するのは正しい選択です。 決めていないなら、AA で1体ずつ取る。

結局ここも、目的が先で、操作はあとという話に戻ります。

ベースにいる時間を極力減らす

ベースにいる時間は、何も生んでいない時間です。

CS も取れないし、経験値も入らないし、視界も取れない。 それなのに、意外と長く滞在してしまいます。

  • なんとなくリコールする
  • アイテムを迷って選べない
  • ベースで回復を待つ

この積み重ねが、そのままレーンの差になります。

意識しているのは、リコールのタイミングを「行きたいから行く」ではなく「行くべきだから行く」に変えることです。 ウェーブを押し込んだあと、相手がリコールしたあと、次のアイテムが買える所持金になったとき。 理由がある状態で戻って、買うものを決めてから戻る。

ベースに着いてからアイテムを考えない。これだけで滞在時間はかなり短くなります。

どのウェーブで帰るかを先に決める

そのうえで、もう一段先に決めておくことがあります。 「どのウェーブで帰るか」です。

リコールは、体力が減ったから行くものではありません。 先に帰るウェーブを決めて、そこに向けて組み立てます。

帰るウェーブの決め方は、だいたいこのあたりです。

  • 次のアイテムに届くゴールドが貯まるウェーブ
  • 押し込めるウェーブ(大きくなったウェーブは相手のタワーに入れやすい)
  • 相手がリコールしたウェーブ

そして、帰り方には良し悪しがあります。

  • 良い帰り方 → ウェーブを相手のタワーにぶつけてから帰る。CS をほとんど失わない
  • 悪い帰り方 → 五分の位置で帰る。相手にウェーブを押されて、戻ったときには自分が押し込まれている

同じ「リコールした」でも、この2つはまったく違う結果になります。 前に書いた最初の3ウェーブのバウンスは、この「良い帰り方」の代表例です。

帰るウェーブが決まると、そこから逆算できるようになります。

  • その1〜2ウェーブ前から、押す準備を始める
  • 買うものを、レーンにいるうちに決めておく
  • 帰ったあと、どの位置でウェーブを受けるかまで想像しておく

もう一つ、副次的な効果があります。 「今のウェーブでは帰れない」とわかっていると、無理なトレードをしなくなることです。

あと2ウェーブは帰れないと決まっているなら、体力は残しておく必要があります。 帰るタイミングを決めることは、それまでの立ち回りを決めることでもあります。

ロームで範囲を広げる

ターンの使い道の中で、一番判断が難しいのがロームです。 やり方を間違えると時間だけ失うので、ここだけ少し細かく書いておきます。

一発では成功しない

ロームを「キルを取りに行くこと」だと思っていると、たいてい失敗します。 行ってみたけど何も起きなかった、で終わって、次から行かなくなるからです。

実際のロームは、自分が影響を与えられる範囲を少しずつ広げていく作業だと思っています。

一発では成功しません。

  • 1回目 → 相手を下がらせただけ、ワードを1個置けただけ
  • 2回目 → 1回目の視界があるから、もう少し深く入れる。相手のフラッシュを吐かせる
  • 3回目 → ようやくキルやタワーになる

1回目と2回目は、3回目のための準備です。 ここを失敗と数えてしまうと、3回目にたどり着けません。

なので、1回のロームの評価をキルの有無で決めないようにしています。

  • 相手を後ろに下げられたか
  • 視界を取れたか
  • 相手ジャングラーを動かせたか
  • 味方のレーンが少し楽になったか

どれか一つでも起きていれば、その回は前進です。

逆に、一発で決めようとすると深く入りすぎます。 そこで死ぬと、広げるどころか自分の範囲が縮みます。相手の範囲が広がります。

イメージとしては、自分のレーンから川へ、川から相手のジャングルへ、線を少しずつ前に押し出していく感覚です。 一気に飛び越えず、一つずつ前に出す。

寄っていいのは、近くの森まで

範囲を広げると書きましたが、どこまで行っていいかの線は決めています。

基本は、自分のレーンの近くの森までです。

理由は、ターンの中に収まるからです。 近くの森なら、キャンプを取っても視界を置いても、次のウェーブに間に合います。 相手の森まで行くと、戻る距離が長くなって、ターンをはみ出します。

そして、相手の森はリスクだけが跳ね上がります。

  • 視界がない
  • 逃げ道が少ない
  • そこは相手ジャングラーの生活圏で、鉢合わせる確率が高い

それなのに、得られるものは近くの森と大差ありません。ワード1個か、キャンプ1個です。 リスクと見返りが釣り合っていないので、無理して行く必要はないと思っています。

相手の森に入るのは、条件が揃ったときだけにしています。

  • 相手ジャングラーの位置がわかっている
  • 味方と一緒に入れる
  • 相手を倒した直後で、明確に人数が有利な時間

「範囲を広げる」というのは、自分から飛び込むことではありません。 レーンと川を押さえ続けた結果として、線が自然に相手の森まで届く、という順番です。

先に線だけ伸ばして中身がついてこないと、そこはただの危険地帯になります。

サイドからは、押してから連鎖させる

そのうえで、サイドレーンから動くときは順番を決めています。 一つずつ進めると、1回のロームが次のロームにつながっていきます。

  1. ウェーブを半分押す
  2. ミッドを助けに行く
  3. 相手のジャングルの視界を取る
  4. 余裕があれば、逆サイドのダイブまで

まず、ウェーブを半分押します。 押し切る必要はなくて、相手が処理せざるを得ない状態を作れば十分です。 これで相手はレーンに縛られ、こちらだけが動ける時間ができます。

次に、ミッドに寄ります。 サイドから動くとき、最初の行き先はほぼミッドです。 距離が近く、マップの中心なので、そこを起点にどこへでも行けるからです。 ミッドが楽になると、今度はミッドも動けるようになって、こちらの人数が増えます。

そこから、相手のジャングルの視界を取ります。 ミッドを押さえていれば、川から相手のジャングルに入る道が使えます。 ここまで来ると、相手ジャングラーの動きが見えるようになります。

最後に、余裕があれば逆サイドのダイブです。 人数が揃っていて、相手ジャングラーの位置もわかっているなら、逆サイドのレーンをダイブしてタワーまで持っていけます。

大事なのは、1回のターンで4番まで行こうとしないことです。 1と2で終わる日もあります。それでも、次のターンは3から始められます。

前に書いた「近くの森まで」という線も、この順番の中でなら越えていけます。 1と2を済ませて、視界と人数が揃った状態で入るなら、それはもう無理をしているわけではありません。

サイドから始めるのには理由があって、サイドは押すと相手を長く縛れるからです。 ミッドは距離が短くてすぐ戻られますが、サイドは一度押せば、それだけで時間が生まれます。

対角線を意識する

これは負けているときに特に効く考え方です。

負けている状況で相手と同じ場所に行くと、単純に人数と経験値で押し負けます。 なので、相手がアクションを起こしていない逆サイドでゲームをします。

相手がトップ側でオブジェクトを取りに動いているなら、こちらはボット側のウェーブを押してタワーを削る。 マップの対角線上で、こちらは別の価値を作りに行く。

正面からぶつかって負けているなら、ぶつからない場所を選ぶ。 負けている側が取れる、数少ない主導権の作り方です。

一方で、勝っているときはこの考え方を使いません。 勝っているときはこちらが主導する側なので、相手に合わせる必要がありません。 自分たちが取りたいオブジェクトに、自分たちのタイミングで人数をかけて向かえばいい。

  • 負けているとき → 相手のいない対角線でゲームを作る
  • 勝っているとき → 自分から動いて相手を合わせさせる

同じマップの見方でも、有利か不利かで使い分けが変わります。

相手のスキルとサモナースペルを把握する

死ぬときはたいてい、相手の何かを見落としています。

  • フラッシュが上がっていた
  • イグナイトを持っていた
  • スキルのクールダウンが戻っていた

これらは全部、事前に確認できる情報です。 運ではなく、確認漏れです。

意識しているのは2つです。

1つ目は、試合開始時に相手のサモナースペルを見ておくこと。 特にフラッシュとイグナイト、テレポートは、行動範囲がまるごと変わります。

2つ目は、使われたスペルを覚えておくこと。 相手がフラッシュを使った直後は、こちらが一方的に強い時間帯です。 その時間に仕掛けられるかどうかで、レーンの主導権が変わります。

相手のスキルでも、見るところは変わりません。 主力スキルを避けた直後は、こちらが踏み込んでいい合図になります。 「避けたから安全」で終わらせず、「今が有利な時間だ」まで持っていく。

相手と味方のジャングラーを把握する

LoL が難しく感じる一番の理由は、見えない情報が多いことだと思っています。 そして、その見えない情報の大半はジャングラーです。

逆に言えば、ここさえ追えていれば、ゲームはかなり簡単になります。

相手と味方のジャングラーが今どこにいるか。これがわかると、自分の行動はほぼ自動的に決まります。

  • 相手ジャングラーが遠くにいる → 前に出ていい、深く押していい
  • 相手ジャングラーが近くにいる → 下がる、五分の位置で維持する
  • 味方ジャングラーが近くにいる → 押して仕掛ける準備をする
  • 味方ジャングラーが遠くにいる → 単独では仕掛けない

自分がどこまで前に出ていいかは、自分の体力やスキルではなく、この2人の位置で決まります。

どうやって把握するか

全部を見られるわけではないので、材料を積み重ねて推測します。

  • 開始位置(どちら側のバフから始めたか)
  • 序盤にどのレーンに顔を出したか
  • 自分や味方のジャングルで、キャンプが取られた跡があるか
  • 味方が「見た」と言った情報
  • ジャングラーのレベル

たとえば、相手ジャングラーがボット側でスタートしたなら、トップ側のキャンプに回ってくるまでには時間がかかります。 その数十秒は、こちらが安全に押せる時間です。

完全に当てる必要はありません。 「今この辺にはいないはず」がわかるだけで、判断の精度は大きく変わります。

視界はそのための道具

ここが、ターンの使い道で挙げた「視界を取る」とつながります。

ワードは、なんとなく安心のために置くものではなく、ジャングラーの位置を知るために置くものです。 だから置く場所も決まってきます。相手ジャングラーが自分のレーンに来るときの通り道です。

視界を取る → ジャングラーの位置がわかる → 前に出ていい時間がわかる → 押してターンを作れる。 この流れが回り出すと、レーン戦がかなり楽になります。

レーンを圧迫するときは、I ブッシュでもいいから置く

一番ワードが必要なのは、レーンを圧迫しているときです。

押しているということは、自分がマップ上で一番深い位置に立っているということです。 つまり、そのまま一番ガンクされやすい状態でもあります。 押しているときに死ぬのは、たいてい視界がないまま押しているからです。

なので、押すと決めたらワードを1個置く、とセットで決めています。

理想を言えば、川の奥や相手ジャングルの入り口に置きたいところです。 ただ、そこまで行く時間がなかったり、そもそも入るのが危なかったりします。

そういうときは、I ブッシュでもいいので置きます。

置かないよりは、はるかにマシだからです。

  • そこを通ってくる相手が見えれば、それだけで反応できる
  • 見えなかったなら、「別ルートから来る」という情報になる

一番もったいないのは、「いい位置に置けないなら置かない」と考えて、視界ゼロのまま押すことです。 ワードは、完璧な位置に置くことより、置いてあることのほうが大事だと思っています。

順番は、プッシュが先

ワードを置くと決めたときに、もう一つ大事なのが順番です。

先にプッシュして、それから置きます。

置きに行くのを先にすると、その間レーンが空きます。 CS を失い、相手にウェーブを押され、戻ったときには自分が押し込まれている。 視界は取れたけれど、レーンは悪くなっている、という状態になります。

先に押しておけば、相手はタワー下のミニオンを処理するので手一杯です。 その時間を使えば、同じワードを安全に置けます。 押すこと自体が、ワードを置く時間を作っているわけです。

ここでも、ウェーブが先でワードがあとです。

  • ウェーブは、ゴールドと経験値とターンを生む
  • ワードは、情報を生む

情報は大事ですが、ウェーブを捨ててまで取りにいくものではありません。

同じ理由で、置いたワードを守りに行くこともしません。 相手がワードを割りに来ていても、それを止めに動けば、こちらはまたレーンを空けることになります。 ワードは消耗品で、割られたらまた置けばいい。守るコストのほうが高くつきます。

例外は、ドラゴンやヘラルドの直前です。 そこだけは、1ウェーブ分の CS より視界のほうが価値が高くなることがあります。 その場合も、できるだけ押してから向かいます。

対角線とつながる

相手ジャングラーの位置を追えていると、前に書いた対角線の考え方がそのまま使えます。

相手ジャングラーがトップ側にいるとわかっているなら、ボット側は数十秒間こちらのものです。 「逆サイドでゲームをする」というのは、突き詰めると「相手ジャングラーがいないサイドで動く」ということです。

味方ジャングラーの位置も、使い方は変わりません。 味方が今どのキャンプにいるかがわかれば、自分のレーンに来られる位置かどうかが判断できます。 来られるなら押してセットアップし、来られないなら安全にファームする。

自分ひとりで判断しているように見えて、実際にはこの2人の位置に合わせているだけです。

まとめ

書き出してみると、どれも派手なテクニックではありません。 3つの部を、一段抽象化するとこうなります。

今、最も意識していること

  • 動く前に理由を言えるようにする
  • 主導権を相手に渡さない
  • 自由に動ける時間を、次のウェーブまでと区切って考える

前提

  • 手段と勝利条件を取り違えない
  • 有利は自分に溜めず、勝ち筋に配る
  • 確率に賭けず、人数差という構造で勝つ
  • 帯の傾向に合わせて、勝負をかける時間帯を決める
  • 価値を数字で判断し、目標を数字で持つ
  • 相手の数字ではなく、自分の数字で判断する

試合の流れ

  • 覚えることを減らして、考える余裕を作る
  • ウェーブは目的を決めてから動かす
  • 何も生まない時間を減らす
  • 有利不利でマップの使い方を変える
  • 確認できる情報は確認する
  • 見えない情報のうち、ジャングラーだけは必ず追う

上達というと新しいテクニックを覚えることだと思いがちですが、実際に効くのは、こういう当たり前を毎試合ちゃんとやることでした。

しばらくはこのチェックリストを見ながら試合をして、うまくいったこと・いかなかったことを追記していこうと思います。

RK

1997年生まれ

ITエンジニア

インフラ・SRE